以前、大学図書館で借りたた吉田光男『近代ソウル都市社会研究—漢城の街と住民』(草風館)は、ソウル(漢城)の都市計画をたどる研究書で、第一章は風水都市としての説明でめちゃくちゃ面白かった。
中国の風水による都市計画(宮殿を中心に置き、碁盤の目に左右対称で都市をつくり、地上に宇宙秩序をつくりだす)とは異なり、ソウルはあくまでも山の地脈と穴を優先して、宮殿は西寄りになっていて、左右対称ではなく、道路もグリッド状ではない。そこに中国皇帝から冊封されており、決して地上の支配者ではない朝鮮の「自己表現」があると本書は考察している。
ということはさておき、2022年の年末はほぼ3年ぶりに渡韓してソウル一人旅。今回のお目当ては山の中にある三千寺。前から行きたかったスポットですが、新型コロナ感染症のため今回ようやく実現。といってもソウルの鍾路三街から地下鉄とバスを乗り継げばわりと簡単に行けるので初心者でも安心。ただ、冬の朝から徒歩で参拝に行く人はほぼいなかった。行く間誰にも会わず、車も通らず。ここで誰かに襲われてもわからないな…と、結構怖い。息が上がるほどの急勾配の道をただ進む。
しかし、お目当てだった磨崖如来立像を見た時はなんだかすべて報われたような。朝の日差しに照らされた姿に、穏やかな気持ちになったのでした。
そんな三千寺への道をiMovieのテンプレ使ってこんな動画作ってみました。
ちなみに上のビデオに登場する、いろとりどりの提灯は、三千寺ではなく、その近くにある津寛寺にあります。津寛寺もすごくよかった…。