みかづきときどき日記

本や日常のことなどゆるゆる

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【読み直す一冊】ローラ・インガルス・ワイルダー『長い冬』(鈴木哲子訳)

わたしは三人姉妹の次女なんですが、だから次女が活躍する物語が好きだったりします。『若草物語』とか『高慢と偏見』とか、大きな森の小さな家シリーズとか。次女の物語。 わたしが持っている『大きな森の小さな家』(福音館、恩地三保子訳、初版1972年)は…

Elaine Hsieh Chou, Disorientation (Picador, 2022)

大学院の修士課程の学生だったとき、授業のテキストに使用していたケンブリッジ版アメリカ文学史のハードカバーを抱えて(重くて厚くてカバンに入らない)古本屋の店先の本を見ていたとき、わたしが英語の本を持っていたのを見た男性から「日本の本を読め、…

【読み返す一冊】エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』(高橋健二訳、岩波書店、1962年)

わたしの母親は大学で児童学を専攻しており(児童文学者の中川正文氏の授業など受けてたらしい)、結婚前は幼稚園の先生をしていたんですね。だから家には児童文学の本とか絵本がわりとあったんです。その中に、岩波書店のケストナー少年文学全集があり、『…

高原英理『詩歌探偵フラヌール』(河出書房新社、2022年)

昔はもっと詩を読んでいたような気がするけれど、最近はめっきり詩を読む頻度が減ってしまった。 「詩」を学べば学ぶほど難しいな、と感じるときもあって、それで読むものが小説に偏ってしまったりしている。でも、そもそも詩歌とは、もっともっと日常の中に…

磨崖仏への道

以前、大学図書館で借りたた吉田光男『近代ソウル都市社会研究—漢城の街と住民』(草風館)は、ソウル(漢城)の都市計画をたどる研究書で、第一章は風水都市としての説明でめちゃくちゃ面白かった。 「主山は北岳山とし、『穴』をその前方、現景福宮の地と…

【読み返す一冊】岡真史『ぼくは12歳』(筑摩書房、1976年)

1970年代の半ばに筑摩書房が倒産したとき、「筑摩書房を応援するために筑摩の本を買おう」と、母が筑摩書房の本を何冊かまとめて買ってきたことがあった。そのうちの一冊が、この『ぼくは12歳』だった。 わたしはそのとき小学校3年生くらいだったか…。 この…